奇跡の絵画「最後の晩餐」
ずいぶん前に見学予約をして、やっとこの日がきた!
ミラノの「サンタ・マリア・デッレ・グラツィエ教会」の修道院の中にあるレオナルド・ダ・ヴィンチの傑作、「最後の晩餐」。
作品があるのは教会の中ではなく、奥にある元々修道院の食堂だった部屋。
ふんわりと優しい光に照らされて謎めいた雰囲気を醸し出す作品、近づいてまじまじと見てみると、なかなかのダメージを受けているように見えた。
それもそのはず、この絵画はいくつもの困難を乗り越えた歴史があるという…
そもそもレオナルドの技法が傷みやすい方法だったことから始まり、場所は厨房の裏、湿度が高かった上に絵の真下に扉が作られ、キリストの足部分が切れてしまっている…
結果的に湿気まくり、絵画がカビてしまうという事態に…。
さらに、その後フランスのナポレオン軍がイタリアを支配した際はこの部屋は厩舎となり、フランス兵士たちはこの壁画に石をぶつけて遊んだりしていたとか…(泣)
その後なにやら最悪の方法で修復が行われた上に、第二次世界大戦末期の爆撃に襲われ、奇跡的に「最後の晩餐」は難を逃れたが、その後数年間ずっと雨風にさらされたままだったという。
(会社を辞めたときに上司から貰ったこの本による情報)
なんというひどい話…。
そしてやっと20年程かけて丁寧な修復が行われ、現在に至る。
そんなわけで、、、存在していること自体が奇跡だと思う。
これ以上のダメージを与えないために、見学は完全予約制。一度に入れるのは30人まで、時間は15分間のみと決められている。
キャンバスに描かれた絵画と違い、壁画は持ち運びができないので、その場に行かなければ見ることができない。
この場所に生き続け、奇跡的で唯一無二の「最後の晩餐」と向き合えたこの気持ちは一生忘れない…。